パチンコ店の駐車場で車100台近くが燃えた火災は、1台から火が出て燃え広がったとみられることが分かりました。専門家は暑い夏、駐車している車両から火が出る場合もあるとして注意を呼び掛けています。
■「うわ怖い」車 約100台燃える
なぜ、火はここまで広がったのでしょうか。
20日午後2時半すぎ、神奈川県厚木市にあるパチンコ店の立体駐車場の2階に止まっていた車から火が出ました。火は約4時間後に消し止められましたが、車100台近くが燃えました。けが人は確認されていません。
駐車していた人:「自分もツイッター、Xで調べたら自分の車が燃えている映像があったので、諦めました。(車を)買って3カ月くらいなので、これから支払いだけ残るのかなと」「出火の原因が…車両の不備なのか、それとも車両内に燃えるようなものを入れていて燃えてしまったのか」
パチンコ店の運営会社によりますと、駐車場にスプリンクラーはありませんでした。設置義務はないといいます。警察と消防は出火原因について調べを進めています。
■「車内の温度高く」意外な盲点
一方で、専門家は夏場の駐車車両の危険をこう指摘します。
元小田原市消防本部 永山政広さん:「夏場ですと、非常に車内の温度が高くなるので、それで発火に至ることも時々起こる」
状況によっては、駐車しているだけでこの暑さが車両火災を引き起こす可能性もあるというのです。
■車内の水やお守りが火元に?
今回の車両火災の原因は分かっていませんが、専門家に聞くと、夏場の車両火災には意外な原因もあるといいます。
元小田原市消防本部 永山政広さん:「収斂(しゅうれん)火災というもので、太陽の光を集めて、例えばペットボトルとか眼鏡みたいなもの。こういったものが太陽光が当たる所に置いてあったりすると光を集めて、焦点を結ぶ所に燃えやすいものがあると、そこで発火するということも可能性としては考えられる」
収斂火災とは、例えば水の入ったペットボトルなどがレンズになり、太陽光を集めて火が出てしまうことです。フロントガラスに付けたお守りなどの吸盤の部分がレンズになり、収斂火災が起こることもあるといいます。
実験では、窓際に置かれた水晶玉に光が集まると3分後に煙が出だし、4分後には火が見えます。
■「70℃超も…」まさかの出火元
また、夏場は車内の温度が上がることにも注意が必要だといいます。
元小田原市消防本部 永山政広さん:「ダッシュボードだと70℃を超えるという実験例もありますので、熱に弱いもの…例えばモバイルバッテリーとかスプレー缶。そういったものが車内にあると、温度が上昇して発火に至ることも時々起こる」
警察と消防はパチンコ店の駐車場での火災について実況見分を行うなど、出火原因について調べています。
[テレ朝news]