2023年6月、福岡・水巻町のアパートの一室で、パート従業員・辻つぐみさん(52)が遺体で見つかった事件。
事件発覚から74日がたった8月18日、急転直下、容疑者逮捕となった。
福岡県警の会見「本日、被疑者3人を強盗殺人容疑で通常逮捕いたしました。被疑者は住所不定無職・辻和美、51歳」
カメラに向かってほほ笑むの女。
強盗殺人の容疑で逮捕されたのは、つぐみさんの実の妹で住所不定・無職の辻和美容疑者と、和美容疑者の知人の岡村恵美容疑者(46)と、その娘の愛香容疑者(24)の3人。
福岡県警の会見「奪った物は預金通帳、その他もろもろあります。金銭目的ということで強盗殺人と認定しています。非常に、被疑者3名は自己中心的で、極めて悪質。非道な犯行だと思っています」
逮捕された3人は、つぐみさんから奪った預金通帳を使い、妹の和美容疑者が本人に成り済まし、金をだまし取ったとみられている。
和美容疑者の知人「多分10年くらい前に電話しただけ。お金貸してくれんかね、の電話。金額は言われてないです。貸せないって言ったので」
事件は、発生当初から多くの謎が残されていた。
自宅の1階にある居間で、何者かに首を絞められ窒息死しているのが見つかったつぐみさん。
発見された時、両手両足を結束バンドで縛られた状態で、争った際にできたようなあざが複数あった。
事件直後、たまたまつぐみさんの部屋の様子を見たという住民は、当時の様子を次のように話した。
近隣住民「電気がついとるばい家の中。(誰かが)入ってきて、家の中を荒らしたと思った。泥棒か何かが入った感じ。(室内は)がちゃがちゃ、足の踏み場もない」
玄関は開いたままで、部屋の電気も付けっぱなし。
何者かに物色されたような跡もあったという。
そして、次のような証言も。
近隣住民「(遺体発見当日の)5日帰ってきた時、車も何もなくて。あれおかしいなと。(自宅の)横を通ったら車がないから、(仕事に)早くいったのかなと」
自宅近くにいつも止めているつぐみさんの愛車が、消えていたことを不審に思ったという。
半年前に撮影された画像には、自宅前に止められたつぐみさんのシルバーの軽自動車が映っている。
ところが、遺体が見つかるおよそ4時間前、つぐみさんの自宅を捉えたドライブレコーダーの映像には、シルバーの軽自動車はなかった。
そして、つぐみさんのものとみられる車は、自宅からおよそ3km離れたパチンコ店で乗り捨てられていた。
2人の間に何があったのだろうか。
和美容疑者は事件直後、ある行動を起こし逮捕されていた。
辻和美容疑者の知人「(金には)切羽詰まってるっていう感じではなかったかな。もしかしたらいろんな人に、連絡をとってるのかもしれない」
和美容疑者は事件後、奪った通帳を使ってつぐみさんに成り済まし、金融機関から現金73万円余りをだまし取ったとみられる。
共犯関係にあった和美容疑者と岡村容疑者親子。
3人はどんな関係だったのだろうか。
福岡県警「実行行為者に関しては、辻和美容疑者とみています。残り2名は現場にたっておりません」
和美容疑者は実行役で、岡村恵美容疑者と娘の愛香容疑者2人は、現場への送迎などを担当していたという。
事件前、つぐみさんと和美容疑者が最後に会ったのは、10~20年ぐらい前。
2人には、何らかの金の貸し借りがあったとみられている。
警察は、事件のいきさつや動機について、調べを進める方針。
FNNプライムオンライン